はじめに
病院運営の核となる電子カルテは診療の質や業務効率に直結する重要なシステムですが、現在お使いの電子カルテに対して「活用しきれていない」「アップデートの頻度が低い」「サポートが十分ではない」「今後も継続して利用できるのか不安」といった課題を感じている方々も多いのではないでしょうか。また、オンプレミス型のシステムでは、サーバー管理やバージョンアップの手間がかかってしまっているということも起きているかと思います。
Vet360は、クラウド型の電子カルテとして、こうした課題を解決するために設計されています。直感的な操作性、柔軟性の高い機能、継続的なバージョンアップ、そして手厚いサポートを提供し、病院の診療業務をよりスムーズにすることを目指しています。
本記事では、他社電子カルテからVet360へ移行する際の具体的なプロセスや注意点を詳しく解説します。電子カルテの切り替えは一大プロジェクトではありますが、スムーズな切り替えをサポートいたします。より快適な診療環境を整えるための参考にしてください。
- はじめに
- Vet360導入のメリット
- 迅速、かつ継続的な機能アップグレード
- クラウド型ならではの柔軟性
- 安定的なサポート・運営体制
- Vet360導入の概要
- 導入開始時の検討すべきこと
- 導入期間に行うこと
- 利用開始直前に行うこと
- 利用開始後に行うこと
- まとめ
Vet360導入のメリット
迅速、かつ継続的な機能アップグレード
既存システムで感じていた操作面や機能面の不満を解消し、より直感的で充実した機能を活用可能です。Vet360のインターフェースはシンプルでありながら、多様な機能を直感的に操作できるよう設計されています。さらに、Vet360は開発スピードが非常に早く、継続的なアップデートを実施しています。これにより、ユーザーからの要望を素早く反映し、病院のニーズに合った機能を提供します。実際に、ユーザーのフィードバックを基に開発を進めており、開発段階で直接ご意見を聞かせていただく場合もあります。これにより、システムは単なるツールではなく、病院運営の強力なパートナーとなることを目指しています。
クラウド型ならではの柔軟性
Vet360はクラウド型システムのため、バージョンアップの手間がなく、常に最新の機能を利用できます。オンプレミス型システムを現在ご利用中の病院では、クラウド型へ移行することで物理的なサーバー管理や更新作業が不要となり、大幅な負担軽減が期待できます。また、クラウド型の特性により、院外からのアクセスが可能で、多拠点展開にも対応しています。これにより、診療や業務の効率が飛躍的に向上するだけでなく、災害時や緊急対応にも柔軟に対応できる環境が整います。
安定的なサポート・運営体制
Vet360を開発・運営するエンジニアチームは、30名以上の経験豊富なスタッフを擁し、継続的なアップデートと改善を行っています。また、提供元であるA’aldaグループは、資本面でも安定した基盤を持ち、長期的なシステム運営を支える体制を構築しています。これにより、病院運営に欠かせない電子カルテを、安心してご利用いただけます。安定性と柔軟性を兼ね備えた運営体制は、電子カルテを選択する上で重要なポイントであると考えます。

Vet360導入の概要
導入開始時の検討すべきこと
■ 既存システムからのデータ移行方法
電子カルテ切り替えにおいて重要なステップの一つがデータ移行です。他社電子カルテのデータフォーマットや互換性を確認し、Vet360へ移行できる項目(飼い主・ペット情報、予防歴、料金・薬剤マスタデータ)を早期に把握する必要があります。移行対象データがどのように管理されているかを項目レベルで確認し、Vet360へ移行可能かを検討します。一部のシステムではデータ抽出ツールが用意されている場合もありますが、そうでない場合には、提供会社へ依頼する必要があります。なお、旧電子カルテに記載された日々の医療記録は移行対象外となってしまいますが、電子カルテ利用開始直後にしばらく参照用として利用頂いただくことで徐々にVet360のみでの運用へ切り替える方法が一般的です。
■ 導入コストと契約期間の見直し
他社システムの解約タイミングとVet360の導入開始時期を調整し、二重契約の期間や解約時の違約金などのコスト面の確認も必要です。また、Vet360の利用開始後も一定期間は旧システムを参照用として残しておくことが望ましいため、その点も踏まえて現在の契約内容を確認することが重要です。これにより、過去データのアクセスが必要な際にスムーズに対応できるだけでなく、移行初期の運用リスクを軽減することが可能です。
■ 導入体制と担当者の選定
電子カルテの切り替えを円滑に進めるために院内で「システム担当者」を選定することを強く推奨いたします。この担当者は、Vet360の設定や操作習熟、トラブル時の一次対応を率先して行い、院内でのサポート窓口としても振る舞います。適任者を早期に決定し、弊社導入担当者と連携を密にすることで、導入作業がスムーズに進みます。
■ 予約システムの利用要否の確認
Vet360の導入に合わせて、オンライン予約機能を利用するかどうかを検討します。既に旧サービスの予約機能を利用している場合にはVet360の予約システムへ切り替える必要があります。移行期間などの切り替えスケジュールを決めて、予約サイトの設定や飼い主様への案内が必要となるため、優先的に検討を開始することが大切です。なお、他社様の予約サービスと併用する運用も可能ではありますので、悩まれたり、ご希望の場合にはお気軽にご相談ください。
導入期間に行うこと
■ 飼主/ペット/予防情報のデータ移行
旧システムに登録されている飼主やペットの情報、予防接種履歴などをVet360に移行します。この作業は、病院様から提供いただいたデータを基に弊社が分析・加工を行い、その後病院様に確認していただく形で進めます。また、移行にあたっては、旧システムとのデータ管理の違いを正しく把握し、Vet360での運用に適した形に調整する必要があります。例えば、旧システムで独自に設定されていたデータ項目がVet360の仕様と異なる場合には、どのように統合するかを慎重に検討する必要があります。
■ マスタデータ登録
これまで運用してきた料金や薬剤情報などのデータをVet360に登録していきます。この際、旧システムとVet360でのマスタデータの位置づけ・役割が異なるケースも有るため、違いを正しく理解して、Vet360での運用にあったマスタデータを準備することが重要です。Vet360では、標準的なサンプル項目やテンプレートが用意されているため、それらを活用しつつ、病院独自の項目を追加・調整することも可能です。
■ 操作トレーニング
Vet360の基本操作について、弊社導入担当者がオンライン、および現地訪問でトレーニングを実施します。これまで旧システムの操作に慣れていた方々にもわかりやすい説明を心がけ、診療フローを想定した実践的なトレーニングを行います。また、導入後もヘルプサイトやオンラインマニュアルを活用することで、操作に関する疑問を解決しやすい環境を整えております。加えて、導入支援中には専用のチャットグループを設置し、いつでもご質問いただくことが可能です。
■ 病院独自の診療テンプレート作成
Vet360の最大の特徴であるカスタマイズ可能な診療テンプレートを作成します。例えば、予防接種の記録用テンプレートには、予めワクチン接種に関する入力用セクションを表示させることができたり、手術用のテンプレートでは術前検査結果や使用した薬剤の詳細を記録するフィールドを設定しておいたりとシチュエーションに合わせて用意することができます。これにより、診療時の入力作業が効率化されるだけでなく、情報の一貫性と正確性が保たれます。テンプレート作成は導入担当からサンプルもご案内させていただきますので、参考にしていただきながらご検討いただくことができます。なお、テンプレートは運用中にもユーザーにて随時編集が可能であり、病院のニーズに合わせた柔軟な対応が可能です。
利用開始直前に行うこと
■ 検査機器との接続
血液検査機器などの検査機器をVet360に接続することで、診療データを一元管理できます。この接続により、検査結果を手動で入力する手間が省けるだけでなく、データの正確性が向上し、診療の質向上が期待できます。特に多くの検査を行われる病院では、ミスの防止や業務のスピードアップにつながるため、大きなメリットがあります。接続には特定のケーブルやソフトウェア設定が必要になるため、導入担当者がサポートいたします。順次連携対象を追加しておりますので、導入予定の機器が連携可能か不明瞭な場合にはお問い合わせください。
■ 最終データ移行と検証
移行されたデータが正確に反映されているかを、実際に運用していく環境で詳細に確認します。この段階では、データの不整合や欠落がないかを重点的にチェックし、必要に応じて本番利用開始までに修正を行います。これにより、運用開始後のトラブルを未然に防ぎ、スムーズなスタートを実現します。スタッフ全員で検証結果を共有し、全体での認識合わせを行うことも重要です。また、切り替え時点で内金(前受金)や未収金が発生しているお客様の情報も必要に応じてVet360へ反映する必要があります。
■ ロールプレイ
システム操作だけでなく、実際の診療フローに合わせてスタッフ同士でのロールプレイを行い、受付時や診察時の操作タイミングを確認します。特に直近で来院があった患者様の紙カルテ記録を基に電子カルテ内で再現してみることで、リアリティのある練習が可能となります。この過程で、スタッフ間の役割分担や動線を確認し、実運用に近い形で課題を抽出します。改善が必要なポイントが明確になることで、利用開始後の業務効率が向上し、患者対応の精度も高まります。
■ 予約システムの切り替え(必要な場合のみ)
Vet360の予約システムに切り替えをする場合には、実際に切り替えるタイミングよりも先に飼い主様へご案内を行っていただく必要があります。なお、切り替える際には、過去の予約サービスで受付けた予約に対して、当日来院した際にVet360で受け付けることが発生します。その場合には必要に応じて、予約情報をVet360に事前に反映しておくと当日の受付がスムーズに対応できます。

利用開始後に行うこと
■ 振り返りと運用・設定の見直し
実運用を開始した直後は、課題や改善点が多く見つかる時期です。これらをタイムリーに把握するために、院内での振り返りや情報共有の場を頻繁に設けます。例えば、診療終了後に短時間のミーティングを行い、課題や成功事例をスタッフ間で共有することで、設定や運用の見直しを迅速に進めることができます。これにより、電子カルテの運用が早期に安定化し、患者対応の質も向上します。
■ 定期業務のイレギュラー対応
ペット保険会社への月次請求など、定期的に行う業務において、電子カルテを利用開始した月だけイレギュラーな対応が必要になる場合もあります。具体的な対応方法は病院様の状況に合わせて、導入担当からご案内させて頂きますので、ご安心ください。
■ 定期的なサポートの利用
いざ実業務の中で電子カルテを利用すると、事前のトレーニングでは想定できていなかった細かな疑問などが出てくることもあります。その場合には、Vet360の導入担当者やサポートデスクの問い合わせ窓口へ積極的に質問いただくことをお奨めします。些細な疑問や問題点でも迅速に解決できるため、ストレスなく運用を進めることができます。また、操作マニュアルやオンラインのFAQを確認することで、効率的に情報を得られます。

まとめ
当社はこれまで、多くの動物病院様が利用中の他社電子カルテシステムからVet360への移行をサポートしてまいりました。初期段階では、移行に伴う手間から電子カルテの切り替えに高いハードルを感じられるかもしれません。しかし、中長期的には、Vet360の操作性・機能性、クラウド型ならではの柔軟な運用、そして安定した運営体制により、継続的な業務効率化と診療の質の向上に資する一手になると確信しています。
病院にとって大きな取り組みとなる電子カルテの切り替えを、弊社導入担当がしっかりと伴走してサポートさせていただきます。導入や運用に関するご質問や疑問点がございましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。