「喋ることのできない動物の健康を守る」診療への想い
ー あさくさばし動物病院の特徴を教えてください。
長倉先生:当院は2018年に浅草橋で開業しました。診療対象は主に犬と猫ですが、一部ウサギの診察も行っています。都内という限られたスペースの中で、患者さんに質の高い診療を提供するため、設備やシステムの効率化を重視しています。「動物との暮らしが喜びで溢れるように」という理念の基に、近隣に住む飼い主さんが気軽に足を運べるような親しみやすい病院を目指しています。特に歯科治療に力を入れています。犬や猫は歯科疾患を抱える割合が非常に高いのですが、適切な治療を受けられないケースも多いです。
特に他院で麻酔が難しいと断られた高齢のペットでも、当院での治療を通じて食欲が戻り、元気を取り戻した例などもあります。また、感覚器官の繋がりで耳疾患などの治療も多く行ってます。鼓膜近くの耳の奥の方まで観察ができていなかったりすることで炎症が発生してしまっている症例が多く、元気そうに見えても実は悩まされている動物たちは多いのではと思います。「喋ることのできない動物の日々の健康を如何に守るか」を大切にしたいという想いで診療にあたっています。

動物医療の未来を見据えたインフラ整備
ー 開業時には他社様の電子カルテを導入されていましたが、当初の検討のきっかけを教えて下さい。
長倉先生:以前から開業時に電子カルテを導入しようと決めていました。紙カルテとなるとカルテ棚を作らなくてはなりませんので、都内という限られたスペースで診療を行うには電子カルテが最適だと考えました。また、物理的な紛失や人ごとの文字の癖など、記述が不明瞭で読み間違えが発生し、薬の処方、会計・請求などを誤る可能性があり、ヒューマンエラーのリスクも高いです。業務効率の観点からも、複数スタッフでのカルテ同時閲覧ができないというのが大変でした。
また、電子カルテは発展性があり将来的には紙と電子で明らかな差が出てくるというのは、皆さん認識していることなのではないでしょうか。電子カルテが紙カルテのシェアを上回るのも、遠い未来のことではないかなと感じます。こういったシステムは早く使用を開始して慣れてしまうことで、その恩恵を早く受けられると思います。後から電子へ切り替えるとなると、移行の手間も発生してしまいますし、少なからず混乱も生じます。その他にも理由は様々ありますが、病院運営の課題をひとまとめに解決できるのではないかと感じ、電子カルテを導入しました。
ー 電子カルテ導入によって期待したポイントを教えて下さい
長倉先生:紙カルテは1枚に書けることの量も多くないですし、記入を迅速に行いたいこともあって、院内の”独自ルール”が増えてしまいます。新人看護師さんが入ってまず最初に覚えることが病院独自の紙カルテの書き方。細かい表記や単語を短縮して記載するルール、薬の内服名や注射の略字。こういった人や病院によって変動するものに適応してもらうのが、病院としても、新人側としても負担になっていました。
加えて、薬剤や物販の金額が変わるたびに、レジと連動したバーコードの変更などの手間が発生します。電子カルテにすることで、いわゆる”名前のない業務”がだいぶ減るのではないかなと。業務効率化で多くの時間を創出でき、診療という向き合うべきことにしっかりと時間が充てられるようになると良いなと考えました。

「開発の本気度」に期待──将来的な成長性を見据えた選択
ー 他社様の電子カルテからの移行をされましたが、Vet360を選んだ理由を教えて下さい
長倉先生:以前まで使用していたシステムは、動作が遅かったり新機能の開発が滞っているような状態でした。使い勝手としても理想とするものになかなか近づかず、将来性が見込めなくなってしまいました。長く続いていく動物病院運営を支えるには持続的に発展を続けられる電子カルテを選ぶ必要があると感じました。
Vet360は販売開始から日は浅いですが、その分、開発の勢いがあると思います。早い段階から導入することで当院の意見や要望も丁寧に聞いてもらえています。「現場の意見」が開発に反映され、良いプロダクトに発展していくことが今から楽しみです。
ーVet360の特徴で魅力的に感じられたポイントは何でしたか?
長倉先生:業務を一元管理ができること、開発スピードが速そうと感じたことが魅力的に映りました。カルテ作成から明細書作成への連携など会計関連ともシームレスに設計されています。元々の考えとして、予約・カルテ・顧客管理・会計管理などの業務が一元管理できるシステムを使いたいと思っていました。それぞれ管理するシステムが違うと覚えないといけないことが掛け算で増えてしまいます。まとまったものであれば単純に労力が減りますし、データが連携してくれるので、書き写す際の人為的なミスもなくなります。
また、30名超のエンジニアの方々が開発に携わっていて、頻繁にリリースが行われているという話も商談時に聞くことができ、魅力的でした。総合的な観点から、電子カルテに対する”開発の本気度”のようなものを感じ、将来的な成長性に期待をしつつ導入を決めました。
「型」に縛られないカルテ記録が業務効率化を後押し
ーVet360を実際に使ってみて、どのような効果を感じていますか?
長倉先生:選んだ決め手でもありましたが、カルテが自由にカスタマイズして書けるという点がとても楽でありがたいです。基本的に紙でも電子でも、”カルテの型”というのが決まっていると思いますが、Vet360はフリーフォーマットになっていています。自身の考えた好きな形で記載ができるので、過去のカルテを確認する際も時間をかけずに確認することができています。また文量の制限などがないのも良いですね。紙だったりフォーマットが決まっていると書ける量が制限されがちですが、書いておきたいこと残しておくべきことを詳細に記述が可能です。カルテを書く際のストレスも少なくなり、診察時間が短縮できていて業務効率化にも繋がっているなと感じます。
ー便利だなと感じ、頻繁に使われている機能などはありますか?
長倉先生:過去カルテの貼り付け機能や、他のカルテからの処方内容などの一部をコピーして持ってこれるのが便利ですね。これは当院独自の使い方かもしれませんが、カルテを書き始める際に前回のカルテ内容を貼り付けしていて、これに加えてカルテの上部の部分を「申し送り事項」として、今抱えている病気や治療方針を変更した時などにメモをして継ぎ足してます。
そうすることによって申し送り事項や既往歴のようなメモを読みつつ診察が進められるので、過去のカルテを読み直すことが減りました。診察がスムーズに進められますし、かなりの時間短縮にも繋がっています。

動物と飼い主に寄り添い続けるために──電子化がもたらす、獣医療の未来
ー電子カルテを活用して、今後どのような病院運営を目指していますか?
長倉先生:電子化によって得られるものは全て”時短”に繋がるものだと感じています。病院としてはカルテ記入・明細作成などの会計処理・様々な業務に付随する手間。それらが無くなる、もしくは効率化がされて診療にしっかりと時間を使える。飼い主さんとしても、待ち時間が減ったり、予防接種の案内が来たらメール上から予約システムに飛べて、電話をせずとも予約が取れる。「病院に行くこと」にかかる手間や時間が大幅に短くできます。やはり飼い主さんも動物のためだとしても、時間がかかることには、面倒に思ったり、どうしても腰が重くなると思います。病院として更に活用を進めていき、飼い主さんの時間を奪わない、気軽に来院できる状況を目指していきたいなと考えています。
ーまだ電子カルテを導入していない病院へのメッセージはありますか?
長倉先生:電子カルテは、初期費用やランニングコストを心配される方も多いと思いますが、長期的に見るとスタッフの作業時間短縮やミス削減など、メリットが非常に大きいです。また、紙カルテであれば、病院独自のカルテが作られていくだけですが、電子カルテは関わった動物病院、開発者など多くの人の良いアイディアが集まってシステムが成長し続けます。関わる人の数が増えれば増えるほど、成長のスピードも上がり、成長の質も高くなります。結果、飼い主さんや獣医療業界全体にも大きな恩恵があると思います。一歩踏み出す価値は十分にあると感じています。
ー 最後に、あさくさばし動物病院として今後の展望を教えてください。
長倉先生:これからも地域のペットとそのご家族に寄り添った診療を続けていきます。Vet360のような先進的なツールを活用しながら、動物の健康維持と飼い主さんの満足度向上に努めていきたいです。そして、スタッフ全員が働きやすい環境を整え、それぞれのポテンシャルを最大限に発揮し、より良い診療を提供できる病院を目指していきます。