紙カルテ中心の運用から、病院全体がつながる仕組みへ
- わたりだ動物病院様について教えてください。
田村事務長:当院は神奈川県川崎市で開業して42年になります。地域のホームドクターとして、犬・猫だけではなく、ウサギ、ハムスター、小鳥、フェレットなどのエキゾチックアニマルの診療にも力を入れています。遠方から来院される飼主さまもいらっしゃいますね。
また、漢方治療や漢方アロマなどの東洋医学も取り入れており、代替治療にも力を入れながら、その子に合わせた診療を行っています。設備面ではマイクロCTや内視鏡も備えていて、高度医療機関とも連携しながら、幅広い診療に対応しています。
現在は獣医師3名、スタッフを含めて約9名体制で日々の診療を行っています。
ー 診療で大切にされていることはありますか。
田村事務長:病気だけを見るのではなく、その子の一生に寄り添う医療を大切にしています。
症状だけで判断するのではなく、飼主さまのお話をしっかり伺いながら、その子にとって一番良い治療を一緒に考えることを心掛けています。地域のかかりつけ病院として、気軽に相談できる存在でありたいと思っています。

課題は“紙を電子化すること”ではなく、受付・診察・会計をつなぐことだった
ー Vet360導入前は、どのような課題がありましたか。
田村事務長:長く紙カルテで運用してきたのですが、診療件数が増えていく中で、カルテを探す時間やスタッフ同士の情報共有に少しずつ負担を感じるようになっていました。
紙カルテ自体に慣れてはいましたが、受付・診察・会計がそれぞれ別々に動いている部分もありました。診療内容を記録して、会計につなげて、飼主さまへ明細をお渡しするまでの流れを、もっとスムーズにできないかという思いはありました。
ー 電子カルテは以前から検討されていたのでしょうか。
田村事務長:そうですね。以前から何度か検討したことはありました。
もともと使っていたシステムでも、タブレットで使えるようになるという話があったのですが、実際にはうまくいかなかったこともありました。電子カルテは毎日使うものなので、便利そうに見えても、現場で本当に使い続けられるかどうかは大事だと思っていました。
その後、サーバーの故障もあり、改めて他に良いシステムを探していたタイミングで、Vet360とは勉強会でご縁があり、話を聞いてみようと思いました。
電子カルテの導入は紙をなくすこと自体が目的ではなく、病院全体の業務を効率化できることを期待していました。
カルテを探す時間を減らしたり、スタッフ全員が同じ情報をすぐ確認できたり、診療内容が会計までつながったりすることで、日々の動きが変わるのではないかと思っていました。

決め手は、使いやすさと自由度。現場に合わせて運用を作れること
ー Vet360を選ぶうえで、重視していたことは何でしたか。
田村事務長:一番重視したのは、誰でも迷わず使える操作性です。
電子カルテは毎日使うものなので、一部の人だけが使いこなせるシステムでは意味がありません。獣医師だけでなく、受付や看護スタッフも日常的に触れるものなので、スタッフ全員が無理なく使えるかどうかは大事にしていました。
実際に触ってみると、画面が見やすく、操作も分かりやすいと感じました。これならスタッフも比較的早く慣れられそうだと思えたことは大きかったです。
ー 操作性以外で、魅力に感じた点はありますか。
田村事務長:やはり自由度の高さです。診療記録テンプレートなどを、病院の運用に合わせて自由にカスタマイズできるところは魅力でした。当院はエキゾチックアニマルも診療しています。そのため、診療内容や記録したい項目も幅広くなります。
決まった形に合わせるだけではなく、自分たちの診療に合わせて調整できることは大きかったですね。
診療・検査・会計の流れが変わった
ー Vet360を実際に使ってみて、どのような変化を感じていますか。
田村事務長:一番大きいのは、スタッフ全員が同じ情報をすぐ確認できるようになったことです。
紙カルテ中心の運用だった頃は、カルテを探したり、誰かに確認したりする時間がありました。今は必要な情報をすぐ確認できるので、診療の流れはかなりスムーズになりました。
受付から診察、お会計までの流れも、以前と比べると大きく変わったと感じています。
ー 診療記録や検査まわりでは、どのような変化がありましたか。
田村事務長:検査データを印刷して、飼主さまにお渡ししやすくなったことは大きいです。
以前は、検査結果を確認して、それを別の形でまとめたり、必要な情報を会計側に反映したりするために、人が間に入って作業する場面がありました。
Vet360では、診療記録や検査データ、会計がつながっているので、同じ内容を何度も扱う手間が減りました。検査結果も連携して印刷しやすくなり、飼主さまへのご説明やお渡しもスムーズになっています。
また、入院中の子は毎日処置がありますが、以前は治療後に一頭ずつ紙カルテへ記入し、さらに明細も別で作る必要がありました。今は診療内容や処置内容を入力しておけば会計にもつながるので、同じ内容を何度も入力する手間が減っています。
ちょうどスタッフからも、入院の子の毎日の治療記録について「カルテに毎回書く手間が減って楽になった」という声がありました。毎日のことなので、一つひとつは小さく見えても、積み重なると大きいですね。
自動精算機とCTIで、受付まわりの安心感が増えた
ー 自動精算機を導入して、どのような変化がありましたか。
田村事務長:一番大きいのは、会計ミスへの不安がほとんどなくなったことです。
以前は、現金の受け渡しや釣銭の確認など、どうしても人が気をつけながら対応する部分がありました。忙しい時間帯や受付が重なるタイミングでは、スタッフにとっても負担になります。
自動精算機を導入してからは、現金の受け渡しがスムーズになり、スタッフも安心して会計できるようになりました。締め作業も以前よりずっと楽になっています。
また、会計に人が張り付く時間が減ったことで、受付まわりの動き方も変わりました。以前は会計対応に集中している間、どうしても他の対応に動きづらい場面がありましたが、今は会計の負担が軽くなった分、次の飼主さま対応や電話対応、診療のサポートにも動きやすくなっています。
自動精算機は、単に会計を機械化するだけではなく、スタッフが安心して動ける環境を作るものだと感じています。
ー CTI(着信時カルテ表示)を導入して、電話対応にはどのような変化がありましたか。
田村事務長:CTIも非常に便利です。電話が鳴った時に、登録されている電話番号をもとに、Vet360内の飼主さまやペットの情報が立ち上がり、確認しやすくなるので、電話口で飼主さまをお待たせしてカルテを探す時間がほとんどなくなりました。
動物病院では、予約の変更、検査結果の確認、体調相談、お薬の問い合わせなど、電話でのやり取りが日常的に発生します。そのたびに紙カルテを探したり、過去の来院履歴を確認したりする時間があると、どうしても飼主さまをお待たせしてしまいます。
今は着信時に情報を確認しやすくなったことで、電話対応にかかる確認作業が減りました。結果として、受付全体の動きもスムーズになっていると思います。
ー 電子カルテ、自動精算機、CTIがそろったことで、病院全体としてはどのような変化を感じていますか。
田村事務長:もともとは紙カルテ中心の運用でしたが、Vet360を導入し、その後に自動精算機やCTIも入ったことで、病院の動きはかなり変わったと思います。
診療記録、検査、会計、電話対応がそれぞれ別々に動くのではなく、情報がつながるようになりました。こうした一つひとつの変化が積み重なって、受付から診察、会計、電話対応までの流れが大きく変わったと感じています。

現場の声を反映しながら、さらに使いやすいシステムへ
ー 今後、Vet360に期待していることはありますか。
田村事務長:現在の機能にも満足していますが、現場の声を反映しながら、さらに使いやすく進化していくことを期待しています。
最近はAI技術も進歩していますので、診察中の会話を自然に音声入力できたり、カルテ作成の負担がさらに減るような機能が実現すると、診療にもっと集中できると思います。
動物病院では、診察しながら動物を保定したり、飼主さまに説明したりと、どうしても手が離せない場面が多くあります。そのため、診察内容をあとからまとめて入力することも少なくありません。
もし診察中の会話を自然に認識して、カルテの下書きまで作成してくれるようになれば、入力時間を短縮できるだけでなく、獣医師が画面ではなく、動物や飼主さまとしっかり向き合える時間が増えると思います。
AIや音声入力は、単にカルテ入力を楽にするための機能ではなく、診療の質や飼主さまとのコミュニケーションの時間を増やすためのサポートとして、今後のアップデートにも期待しています。
ー 最後に、電子カルテの導入を検討している病院様へメッセージをお願いします。
田村事務長:電子カルテへの切り替えは、最初は不安もありました。
でも実際に使ってみると、思っていたより早く慣れましたし、今では紙カルテには戻れないと感じています。業務効率だけではなく、スタッフの負担軽減や飼主さまへの対応品質の向上にもつながっていると思います。
導入直後は、どの病院でも慣れるまでに少し時間はかかると思います。ただ、自分たちの運用に合わせて少しずつ整えていけば、日々の診療の流れは大きく変わります。
電子カルテを選ぶ時は、機能だけでなく、受付・診察・会計・電話対応まで含めて、病院全体の流れをどう整えられるかを見ると良いと思います。
また、日々の業務が整ってくると、その先にあるデータ活用や経営分析にも目を向けやすくなります。電子カルテは、単なる記録の置き場ではなく、病院全体の情報をつなぎ、これからの運営を考えるための基盤にもなっていくと思います。
もし導入を迷われているのであれば、一度実際に触れてみることをおすすめしたいですね。