予防医療を大切にし、地域の犬猫を健康に育む
ーしま動物病院の特徴についてお聞かせください。
嶋先生:当院は2012年2月に、私の生まれ育った福島県郡山市に開業しました。開業当初から犬と猫の診療に特化し、「病気にならないためのケア」を大切にしたいという思いで診療を行ってきました。地方ということもあり、飼い主さんが予防医療よりも「具合が悪くなったら動物病院へ行く」という意識を強く持っているケースが多かったのですが、開院当初から予防医療を推進している影響もあってか、最近は健康診断をはじめとした予防意識が浸透してきて、少しずつ変化が見られていると感じます。
ー獣医師を志したきっかけや、診療に対するこだわりを教えてください。
嶋先生:小さい頃からニワトリやシマリス、アヒルなど色々な動物を飼っていたので、日頃から動物に囲まれた生活を送っていました。その子たちを守る術を身につけたいと思ったのが最初のきっかけです。勤務医の頃から、「病気を未然に防ぎ、重症化を防ぐこと」を意識してきました。歯科のケアやフィラリア予防など、地道に続けることで病気のリスクを下げられますし、そうすることで急な手術や高度な治療をしなくても済むケースが増えると考えています。結果的に動物も飼い主さんも楽になりますし、動物病院側としても落ち着いて診療に取り組めます。
紙カルテの限界と、拡張性あるデジタル化への一歩
ー 院内での情報管理や業務課題について従来の方法をお聞かせください。
嶋先生:電子カルテ導入以前は紙カルテとエクセル管理を組み合わせて運用していました。紙カルテ自体はシンプルですが、カルテを出す・しまうといった作業や保管スペースの確保が大変ですし、どのスタッフがどこにカルテを置いたのか探す時間ももったいない。さらに顧客データをダイレクトメールなどで活用する際は、エクセルに打ち直す必要がありました。そうした「入力の手間」と「管理の煩雑さ」が業務に大きな負荷をかけていたと思います。
ー 電子カルテVet360導入を検討した理由と期待していた効果を教えてください。
嶋先生:業務効率を上げるためには、紙カルテの情報を電子化して集約する必要があると感じていました。特に、診察しながら同時に会計処理や薬の用意を進めるには、カルテをスタッフみんなで同時に閲覧できることが欠かせません。電子カルテであれば、複数の端末から1つのカルテにアクセスできます。また、長期的には統計をとったり過去の症例を検索したり、業務が簡便になることで業務の分散化をしていくことができるなど、多彩な活用ができるのではないかと期待しています。

サポートと開発体制が充実したシステムの魅力
ー 他社システムも検討した中で、Vet360を選んだ理由は何でしょうか。
嶋先生:これまで利用してきたシステムの中には、運用の途中から開発やサポートが手薄になってしまったサービスもありました。そのまま使い続けることにより、「適切な診療が行えなくなるのではないか」という不安を感じることもありました。動物病院を長く続けていくうえで、「開発が継続され、サポート体制がしっかり整っていること」は非常に重要なポイントだと考えています。
その点、Vet360は開発の人員が多く、経営基盤としても資本力があると聞いていたので、今後のアップデートやサポートにも期待が持てると感じました。そして 「長期的にアップデートされ続けることで、院内の業務フローが一層洗練されるのでは」という期待もあります。
実際に使い始めてみると、タイムライン機能やタグ機能など、まだ十分に活用しきれていない便利な機能が多く存在することに気づきました。今後それらをどのように院内で活かしていけるか、非常に楽しみにしています。
音声入力や外部ツール連携でさらなる効率化を追求
ー Vet360導入後、特に役立っている機能や効果は何でしょうか。
嶋先生:一番助かっているのは、複数のスタッフがカルテを同時に扱える点です。これまでは私がカルテを記入している間は他のスタッフが内容を閲覧できず、ただ待機するしかありませんでした。しかしVet360では受付や調剤、会計処理の一部分であれば並行して進められるうえ、前回のカルテ履歴も確認可能です。結果として診療全体のスピード感が上がってきていると感じています。
ー電子カルテVet360を更に活用されるために行っている取り組みなどはありますか。
嶋先生:Vet360を中心に据えて、さらに業務のデジタル化を進めようと、いくつか外部ツールをテストしています。具体的には、診察時の会話を音声入力システムで文字起こしして、カルテに要約を貼り付ける取り組みですね。精度や作業フローの面でまだ完全に定着しているわけではありませんが、もしうまく運用できれば入力作業を大幅に削減できるのではないかと期待しています。
たとえば診察室で「咳が出ている、体重は○kg」と口頭で話している内容を、自動的に文章化してもらい、後で要点だけ修正してカルテに貼る。紙カルテでは実現し得ないことなので、電子カルテならではのメリットを最大限活かしていきたいと考えています。
また、飼い主様の利便性向上を目的に、現在はホームページやLINEを活用した予約システムも併用しています。予約情報の転記もスムーズに行えるため、日常業務の効率化につながっています。今後はVet360の予約機能もさらにアップデートされていくと伺っているので、将来的には予約も含めて1つのシステム上で完結できる体制を構築していきたいと考えています。

Vet360を起点にさらなるデジタル化を進め、地域と動物を支える
ー 今後の動物病院運営で目指したいことを教えてください。
嶋先生:電子カルテVet360を導入して月日が経つことによって、過去の症例データなどが蓄積されていきます。今後はそれらを活用し、データに基づいた診察や治療計画の立案につなげていきたいと考えています。紙カルテではいくら頑張っても難しいことだと思います。
また、開院当初から力を入れてきた予防医療についても、Vet360を活用することで、さらに徹底し、病気になる前に防ぐ医療をより一層根付かせたいと考えています。そして最終的には、地域の動物と飼い主様が健やかで楽しい時間を少しでも長く過ごせるよう、今後も尽力していきたいと思います。
ー Vet360を活用した将来的な展望についてお聞かせください。
嶋先生:Vet360を軸に、連携可能な外部ツールも活用しつつデータを一元化し、診療と経営に活用していきたいです。予約システムとの連動による自動受付や、問診の事前入力からカルテ作成までのフローが効率化されれば、スタッフの負担がぐっと軽減されると思います。地域の一次診療を担う動物病院として「できるだけ多くの患者さんが重症化する前に、適切な治療を受けられるようにする」ことが私の目標です。
デジタル化によって生まれた時間を、診察や飼い主さんとのコミュニケーションに回せるようになれば、動物病院全体の質が上がると信じています。Vet360という基盤があるからこそ、外部ツールを組み合わせた柔軟なデジタル化にも挑戦できるのだと思います。

ーVet360がより便利なシステムになっていくために、どんな改善あると良いと感じますか。
嶋先生:データや売上などの統計・分析機能がもっと充実するといいなと思います。外部ツールで集めたデータも含めて一括管理できると、さらに活用の幅が広がるでしょう。また、音声入力もまだ試行錯誤している途中なので、より正確かつ速やかに電子カルテへ連動させられる仕組みがあれば嬉しいですね。